おそらく多くの人は、赤い傘に白いいぼいぼのあるきのこを描く人も多いのではないでしょうか。
それは、古くは童話のおとぎ話、現代では「スーパーマリオ」にでてくるキノコのイメージです。
このイメージのもととなっているのがベニテングダケです。

ベニテングダケは猛毒のものが多いテングダケの仲間です。
いかにも毒々しい外見ですが、意外なことに一本食べたくらいでは致命的な重篤症状は起こしません。
腹痛や嘔吐といった消化器系の症状に加えて、錯乱や幻覚などの神経症状を引き起こすことで知られています。
独特の幻覚作用があるため、古代から世界各地で宗教的な儀式などに用いられてきました。
このキノコを食べたシャーマンの見た幻覚が、宗教的な世界と結びつけられたのです。
幻覚を引き起こす原因とされているのは、アミノ酸の一種であるイボテン酸が分解してできたムシモールであるとされています。
ムシモールは、γ-アミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質と構造が似ているため、GABAの受容体と結びついてしまいます。
このためGABAによる神経伝達が抑制され、それが脳の活動を鈍らせて幻覚や陶酔を生み出すと考えられています。
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