}); 毒を持っていたかもしれない恐竜 シノルニトサウルス|すごく真面目なブログ

2018年7月7日土曜日

毒を持っていたかもしれない恐竜 シノルニトサウルス

調べたら毒をもつ恐竜もいたのかもしれません。驚きです。


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〇まず、生物がなぜ毒を持つようになったのか紹介したいと思います。


生物が毒を持つのは、天敵から身を守ったり、エサとなる獲物を動けなくするためです。


では、生き物の中にはなぜ毒を持つものと持たないものがいるのでしょうか。


毒を持つ生物に共通する特徴として、進化の段階の低いものが多いということです。


毒を持った生物にはハ虫類や両生類、魚貝類、昆虫などが多く見られ、ほ乳類や鳥類などの高等温血動物で毒を持つものはほとんどいません。


また、同じハ虫類や魚貝類でも、比較的動きの鈍いものに毒を持つものが多い傾向があります。


海の生き物でいえば、サンゴやイソギンチャク、オコゼやクラゲなど運動能力の低いものたちです。


これらの生き物は、運動能力が低くても生き延びられるように毒を持つという選択をしたといえるかもしれません。


ほ乳類や鳥類が毒を持たないのは、毒にたよらなくても、すばやい身のこなしや高度な頭脳を持つことで、身を守ったり、エサを取ったりできるからだといえます。


しかし、だからといって最初から毒のある生物は進化していないとはいえません。


また、生物は最初から毒を持っていたとは限りません。


例えば、ヘビの毒はもともと唾液のような消化酵素が変化したものだといわれています。


その無毒な唾液を、相手を一撃で動けなくするような毒へと作り替え、なおかつ、その毒で自らが中毒にならないような肉体的構造を持つには、長年の進化が必要でした。


毒を持った生物もまた、独自の進化を遂げた結果なのです。


ちなみに、太古の巨大ハ虫類といわれる恐竜には、毒を持った種類がいたかは最近になり見つかっています。


2009年にシノルニトサウルスという恐竜の化石に毒腺らしき痕跡が見つかりましたが、いまの猛毒ヘビと違い、獲物を一時的に麻痺させる程度だったといわれています。


私たちは、毒というと相手を殺してしまうような猛毒をイメージしがちです。


しかし、生物の中には毒性が強くなくても、なわばりを示したり、求愛したりするための化学物質を放出しているものは多く存在します。


最近の研究では、フグやハチの毒にはフェロモンの役割があるといわれています。


毒は、生物間のコミュニケーションにおいても大切な役割を果たしているのかもしれません。




〇シノルニトサウルス


映画『ジュラシックパーク』は突飛な科学的空想が満載だったが、ある恐竜に関する発見を予期していたと思われるくだりもありました。


体が細長い2足歩行の肉食恐竜であるラプトル類の中に、毒を持つ種類がいた可能性があるとする研究が2009年12月21日に発表されました。


今回の研究によると、今から1億2500万年前に生息していたシノルニトサウルスは、映画に登場した毒を吐くディロフォサウルスとはかなり異なるものの、現在の後牙類の毒ヘビのような方法で獲物を襲っていた可能性があるといいます。


後牙類のヘビは、針などで毒を相手の体内に注入するわけではなく、牙の表面にくっきりと刻まれた溝を伝って毒液が傷口に流れ込み、ショック状態を引き起こさせます。


 研究によると、シノルニトサウルスの頭蓋骨の化石には、実に興味深い空洞部分があるといいます。


この空洞に毒腺が収められ、毒管が通っていたとみられる長い溝で牙の根元部分とつながっていたと考えられています。


またシノルニトサウルスの牙の表面には、毒ヘビの牙と同じような溝が刻まれているといいます。



「毒腺から出ている管が毒液を歯の根元まで運び、そこに溜まった毒液が溢れて歯の溝に沿って流れ出る。そのため、牙が獲物の体の組織に突き刺さると、強力な毒を持つ唾液である毒液を傷口にしみ込ませることができたはずだ」と、この研究の共著者であるカンザス大学の自然史博物館および生物多様性研究センターの古生物学者デイビッド・バーナム氏は語っています。


 シノルニトサウルスはシチメンチョウほどの大きさで、羽根が生えていたとみられます。


生息していたのは現在の中国北東部で、これも「ジュラシックパーク」で悪役だったヴェロキラプトルと同じドロマエオサウルス科に属します。


バーナム氏によると、鳥類に似たシノルニトサウルスは、おそらく先史時代の鳥類に噛み付くためにその長い牙を使っていたといいます。


 また後牙類の毒ヘビや一部のトカゲと同様、毒の強さは獲物を殺すほどではなく、静かに食事を楽しむことができるように無抵抗の麻痺状態に陥れる程度のものだったようです。


 バーナム氏の研究は、毒を持つ可能性のある別の恐竜の牙の化石が2000年に発見されたことと、現存する最大のトカゲであるコモドオオトカゲが、時間がたってからでも食べられるように、噛み付いて毒を流し込んで獲物を弱らせることが最近解明されたことにヒントを得たものです。


 シノルニトサウルスのような恐竜を祖先に持つと考えられているにも関わらず、現在の鳥類には歯がなく、したがって獲物を毒で攻撃するような仕組みも持っていません。


 しかしバーナム氏の関心は、シノルニトサウルスの毒を使う能力がその後どう進化したかよりも、むしろどこから受け継がれてきたのかということにあります。


「毒というものがどれほど原始的な機能なのか? 主竜類にまで遡るものなのか? この問題は、まだ手つかずのままだ」。



同氏は、恐竜よりさらに3000万年かそれ以上前にいたとされるハ虫類に思いをはせています。

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