「テレビばかり見てないで勉強しなさい」 「ゲームばかりしないで勉強しなさい」 ほぼ禁句です。
勉強しなさいと言われるとなぜ意欲が失せるのでしょうか。
簡単なことです。
ダイエットを例に考えてみましょう。
仮に、自分がすごく太っていたとします。
そして、今度こそはと一念発起してダイエットすることを決意しました。
でも1日に1個だけは好きなお菓子を食べてもいいことにしました。
さて、今日の1個を食べようかというときに、誰かに「そんなものばかり食べているから太るんだよ」とか「食べるのはやめなよ、太っているんだから」なんて言われたら、自分はどう感じるでしょうか。
「そんなことはいわれなくてもわかっているよ。よけいなことは言わないで。」と反発を感じるでしょう。
人間は、やらなくてはならないことを自覚しているときに、他の人からそれを指摘されると、ほとんどが「言われなくてもわかっているよ!」という反応をしめします。
これを自己防衛本能といいます。
本能ですから、人間ならだれでもそうなのです。
この例で「ダイエット」を「勉強」に「太っている」を「勉強ができない」という言葉に置き換えてみてください。
お子さんの心理がよく理解できるはずです。
冷静に考えてみると、親は毎日毎日、子供に対してかなりきつい言葉を投げかけているのではないでしょうか。
「勉強しないさい!」というひと言が、子供にとっていかにマイナスの言葉」になっているか今までの説明でわかると思います。
子供に勉強させたい気持ちはどこの親でもそう思っているはずです。
でも言っている言葉がマイナスになっています。
「勉強」という言葉を言う前に、ダイエットなど自分の話に置き換えて、今一度考えてみてください。
「勉強しなさい」は禁句だというと、中には反論もあると思います。
「だって、言わなかったら、いつまでたっても勉強しないんだもの」という反論です。
では、「勉強しなさい」と言えばお子さんはちゃんと勉強するでしょうか。
「勉強しろ」と言われて素直に勉強するほど子供は単純ではありません。
しかも、思春期になると、今まで素直に来た子供はガラリと変わる時期です。
家庭では心をシャットダウンして壁を作り、親の言うことは聞かなくなるのがほとんどです。
そもそも「勉強しなさい」と言っておきながら、家庭では勉強する環境になってないことがほとんどです。
・テレビがつけっぱなしになっていませんか?
・両親は仕事で不在がちになっていませんか?
それでは子供に勉強させようというのは無理な話です。
なかなか勉強しない子供を見かねて、ついうるさいことを言ってしまう気持ちは理解できます。
でも、実際はそれが悪循環になって、子供はますます勉強しなくなります。
子供が自ら勉強をするようになるには、まずどうすればよいのでしょうか?
それは親から「勉強」しなさいという言葉をなくせばいいのです。
勉強をしない子どもは学校などですでに「勉強しなさい」と言われています。
親に言われなくても「勉強しなきゃ」と心のどこかで必ず思っています。
学校で言われ、塾で言われ、家に帰ってまで、「勉強は?」「宿題は?」なんて言われたら嫌になるのも当然です。
そこからプラスになるものは何もありません。
だからいって、放っておけというわけではありません。
ご家庭では、勉強以外のことはたくさん言っていいと思います。
家の手伝いなどもどんどんさせるべきだと思います。
ただし、生活習慣の問題点を勉強に結びつけて注意するのは厳禁です。
子供がテレビばかり見ていると、「テレビばかり見てないで勉強しなさい」と言いがちです。
ゲームばかりしていると、「ゲームばかりしないで勉強しなさい」と言いがちです。
でもよく考えてみてください。
テレビやゲームと勉強とは関係ありません。
確かにテレビやゲームで勉強できる時間をとられるように思えるかもしれません。
でも、こんな例はどうでしょうか。
子供が茶碗を洗っていました。
そこで、「茶碗洗いばかりしないで勉強しなさい」
なんていう親はいるでしょうか。
なんでもかんでも勉強に結びつけて小言を言われると、子供のやる気はなくなります。
こどもの生活に関して注意するときは、絶対に勉強を理由にしてはいけません。
0 件のコメント:
コメントを投稿